【宋元戯曲史(そうげんぎきょくし)】柳川俊之

清末~民国期の文学者、王国維(1877-1927)が著した、中国の戯曲発展研究書で、民国初年に発表された。全16章からなる。戯曲の発展を古代から五代十国時代までの萌芽期、宋・金の形成期、元の成熟期としてそれぞれ紹介しており、特に宋、元王朝におけるの戯曲の発展ぶりについてについて重点的に解説している。
『宋元戯曲史』は「戯曲史」というジャンルを新たに切り開いた書と呼ばれており、西洋の文学史の概念を用いて中国古典戯曲について緻密に考証、分析したこと、中国の伝統的な審美的観念である「意境」とともに、西洋の悲劇・喜劇の理論を用いて戯曲芸術を評論したことで、以後の中国文学史の研究方法に大きな影響を与えた。

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