【東京夢華録(とうけいむかろく)】柳川俊之

『東京夢華録』は宋代の孟元老が記した散文で全10巻からなる。12世紀初頭、北宋の都・東京の様子を描いたもので、宮城の配置や城下町のさまざま店舗、祭りや祝日、衣食や歌、踊り、劇など内容は多岐にわたり、当時の王侯貴族や庶民の日常生活を知ることができる。このため、北宋の都市生活、社会、経済、文化を知る上で重要な歴史文献として現在もなお珍重されている。
東京とは現在の河南省開封市のことで、開封は960年に趙匡胤(太祖)が北宋を建国して以降、1127年に北宋が金に滅ぼされるまで首都として栄えた。作者の孟元老は北宋文化が成熟した1103年から約20年間開封に居住、北宋が滅びるのと同じくして江南に逃れた。江南の地では当時の開封の繁栄ぶりに常々思いをはせ、追憶の文章をしたためた。そして1147年、文章をまとめた『東京夢華録』を発表したのである。

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