【石頭記(せきとうき)】 柳川俊之

『石頭記』は中国四大名著の1つと呼ばれる『紅楼夢』の別名。作者の曹雪芹(1715~1763)はもともと『石頭記』として執筆していたが、未完のまま死去。その後写本が盛んに行なわれるうちに、『紅楼夢』というタイトルがつけられるようになった。章回体の形式をとっており、全120回のうち80回が曹雪芹によるもので、残りの40回が彼の死後に続作者が追加したものとされている。
太古の時代、神々の戦争で破れた天を女媧(じょか)が修繕した際に1つ余ってしまった石が人間界に降り、主人公の賈宝玉となることから『石頭記』というタイトルが付けられた。主な内容は賈宝玉と林黛玉という美女による悲恋の物語であるが、賈宝玉が小さい頃から女性との遊びを好んでいたことから、作中には「金陵十二釵」と呼ばれる12名をはじめとする美女が数多く登場するなど、当時の富家の華やかな暮らしぶりが描かれている。同時に、華やかな貴族生活の影に潛む暗い部分や登場人物の細やかな心理の描写にも優れていることから、現在に至るまで古典小説の名作中の名作として高く評価されている。
紅楼夢を研究する「紅学」は1つの学問ジャンルとして早くから成立し、五四運動のリーダーの1人である胡適も「紅学」研究で大きな役割を果たした。

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