【古小説鉤沈(こしょうせつこうちん)】 柳川俊之

魯迅(1881-1936)が、散佚していた秦代以前から隋代までの古い小説36篇を集め校訂したもの。

1912年に編纂を終えたが資金不足のため出版できず、正式に出版されたのは魯迅没後の1938年であった。

魯迅が1924年に著した、中国初の小説史といわれる『中国小説史略』も、『古小説鉤沈』による研究の成果が礎となっている。

現代の古小説研究書として評価が高く、六朝時代(222-589,呉・東晋・宋・斉・梁・陳)を代表する文学の形式である志怪小説(怪異を記した物語であり、『捜神記』などが有名。唐代にはストーリー性を兼ね備えた伝奇小説へと発展する)の研究をはじめとする古小説研究では必読の文献である。

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